旗竿とフラッグ、二つの部分でできた形
フラッグは二つの部分からできています。まず、短い期間に価格がほぼまっすぐ大きく動いた区間があり、これを旗竿(ポール)と呼びます。そのあと価格は狭い範囲でしばらく休みますが、この区間が旗竿の先に付いた布のように見えるので、フラッグ(旗)と呼びます。休んでいる区間の高値同士、安値同士を結んだ2本の線がほぼ平行で、旗竿と反対の方向に少し傾いていればフラッグ、2本の線がだんだん狭まって小さな三角形になればペナント(三角旗)と呼びます。
- 旗竿:数本のうちに終わった、急な一方向の動き
- フラッグ:旗竿と反対側に少し傾いた、狭い平行チャネル
- ペナント:2本の線が近づいていく小さな三角形
- ブレイク:休みの区間を旗竿の方向に抜ける足
継続型パターンと呼ばれる理由
教科書はフラッグとペナントを継続型パターンに分類します。継続型とは、休みの区間が終わったあと、価格がもともと動いていた方向、つまり旗竿の方向へ再び動くケースを典型と見なす、という意味です。よく添えられる解釈は、急に動いたあとで一部の参加者が利益を確定し、一部が新たに入ってくることで一時的に釣り合いが取れ、その釣り合いが崩れると前の流れが続く、というものです。ただし、これは形に付けた説明であって、方向が決まっているという意味ではありません。休みの区間を旗竿と反対側に抜ければ、そのチャートはもう継続型ではありません。
上昇フラッグを図で見る
下の図は上昇フラッグの例です。横ばいだった価格が数本のうちに大きく上がった部分が旗竿で、そのあと高値と安値が少しずつ切り下がりながら、旗竿の3分の1ほどだけを戻した狭いチャネルがフラッグです。教科書の説明では、旗竿ができるときに出来高が大きく増え、フラッグの中では減り、上側の線を超える足で再び増える姿を典型とします。旗竿の区間の出来高が普段の何倍だったかは、出来高急増スキャナーと同じように、直前20本の平均出来高に対する倍率で表せます。出来高の一般的な読み方は、出来高の見方の記事で扱います。
例: 上昇フラッグ。急な旗竿のあと、下向きに少し傾いた狭い平行チャネルが旗竿の3分の1ほどを戻し、上側の線を終値で超えた地点に旗竿の長さを足して目標を測る。
目標値:旗竿の長さをブレイク地点から
フラッグで最もよく引用される計算は、旗竿の長さを測り、フラッグを抜けた地点にそのまま足すものです。図では旗竿が100から130まで30上がり、フラッグの上側の線を124付近で終値で超えたので、計算上の目標は124 + 30 = 154です。旗竿をどこから測るか(急騰が始まった足か、その前のボックス圏の上限か)は説明によって少しずつ違い、目標もそのぶん変わります。値動きの大きい暗号資産のチャートでは、金額ではなく比率で測ることもあり、そうすると結果はまた変わります。どの方法でも形から出てきた計算にすぎず、その価格に届く確率を教えてくれるわけではありません。
下降フラッグと下降ペナント
方向を逆にすると、下降フラッグと下降ペナントになります。価格が短い期間に急に下がって旗竿を作ったあと、少しずつ戻る狭いチャネル(下降フラッグ)や、狭まっていく小さな三角形(下降ペナント)で休み、下側の線を割り込む形です。目標値は、旗竿の長さを下抜けた地点から下に引いた価格です。下落側では、急落のあとの戻りが弱く短いことが形の要点です。戻りが旗竿のかなりの部分を取り戻すほど大きくなると、フラッグとは見なしにくく、解釈も変わります。
例: 下降ペナント。急落した旗竿のあと、高値は切り下がり安値は切り上がって狭まっていき、下側の線を終値で割り込む。
ペナントと三角保ち合い・ウェッジの違い
ペナントは形だけ見れば小さな対称三角形で、フラッグは小さなチャネルです。そのため、ほかのパターンと見分ける基準は、形そのものより、前にある旗竿と大きさです。三角保ち合いの記事で扱った三角形は、前に旗竿がなくてもよく、より長い時間をかけてできますが、ペナントは急な旗竿のあとに短く付きます。ウェッジは2本の線が同じ方向に傾きながら狭まる形ですが、旗竿のあとに短くできた小さなウェッジをフラッグと呼ぶ説明もあり、境目はあいまいです。名前を選ぶより、旗竿があったかどうか、休みの区間がどれほど短いかを先に見るほうが混乱しにくくなります。
フラッグが長引くと別の形になる
フラッグの条件のうち、見落とされやすいのが長さです。教科書はフラッグを急な動きの途中の短い一時停止として説明し、日足で数週間を超えないものを典型に挙げます。休みの区間が長くなるほど、旗竿を作った動きとのつながりは弱まり、形もボックス圏・三角形・ウェッジのような別の名前に分類されます。戻しの深さも同じで、フラッグが旗竿の半分近くを戻すと浅い休みとは見なしにくい、という説明が多く見られます。フラッグという名前は、次の条件がそろったときに当てはまります。
- 傾き:旗竿は数本のうちに急に動いたか
- 長さ:休みの区間は短く終わったか(日足なら数週間以内)
- 深さ:旗竿の一部だけを戻したか
- ブレイク:終値で旗竿の方向の線を超えたか
この形が語らないこと
フラッグは、ブレイクが出るまでは急騰・急落のあとの調整にすぎません。同じ形から旗竿と反対側に抜ければ、その急な動きが最後の動きだったことになり、どちらだったかは後になってからしか分かりません。この講座でバイナンスの足を使って実際に測った統計はローソク足パターンと指標シグナルだけで、フラッグは含まれていません。旗竿の傾きや、フラッグを構成する足の本数をどう決めるかによって標本が大きく変わる形なので、どこかで引用される成功率も、その定義が分からなければ比べにくいものです。チャート予想クイズを解いていてフラッグのように見えるチャートが出てきたら、自分の予想と実際の結果を比べてみるのも一つの方法です。
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